DX時代に問い直す「つながり」とは?
文・画:ミス・イーランド
2025年6月21日、インテグラルキャリア研究所によるオンラインセミナー「DX時代の新しいコミュニティの作り方〜AIと共に“つながる”を再設計する〜」が開催されました。AI・SNS・分断社会の只中で、私たちが“つながる”とはどういうことか。その再定義がテーマでした。
DX時代、「つながり」は再設計できる
「ググるのが面倒」そんな感覚を持ったことはありませんか?今やAIに「まとめて」「要約して」と頼む時代。情報を「探す」のではなく、「問いを投げる」ことが重視されるようになりました。こうした変化が私たちの“つながり方”や“コミュニティ”のあり方に大きく影響している──そんな問題意識から本セミナーは始まりました。
🧠 情報との関係が変わった

「ググる」よりも「AIに聞く」時代。情報を「探す」から「問いかけて引き出す」時代への転換が進んでいます。しかしその一方で、「自ら問いを持つ力」が弱まるという課題も浮上。だからこそ、コミュニティは“問い”を育て合う場として、あらためて重要になっています。
🌐 技術が進化しても、人はつながれているのか?

SNSの「分断」と「フィルターバブル」は、似た者同士だけが集まり、異なる意見に出会えない構造を作り出しています。
本来、コミュニティとは「違っても大丈夫」「出入り自由」「自分らしく居られる」場所のはず。今、私たちはその設計を見直す必要があるのです。
📡 SNSが“つながり”を壊すとき
アルゴリズムが私たちの関心を囲い込み、「同じような人」ばかりと繋がるSNS。そこに潜むのは“開かれた対話の欠如”です。セミナーでは、閉鎖的な共鳴空間から抜け出す設計が求められていること、そして「意見が違っても壊れない場=心理的安全性」の重要性が語られました。
💬 サードプレイスと新しい居場所のデザイン
カフェでも会社でもない、でも「ただ在ること」が許される空間。いま必要とされているのは、何かを「する」ための場ではなく、何もしなくても「いていい」と思える場。そんな「余白」と「循環」があるコミュニティの価値が再発見されています。
☕ サードプレイスという“余白”

自分を隠さず、ただ「いる」ことが許される場所。コロナ禍を経て、そのような“サードプレイス”への希求が高まっています。セミナーでは「何かをする場」ではなく「ただ在ることが価値となる場」をいかにデザインするかが提起されました。循環と余白こそが、これからのコミュニティの核なのです。
🌿 「考えること」から「感じること」へ
AIが“考える”機能を担い始めた今、人間には「意味を共に見出す」力がより一層求められます。これが、インテグラルキャリア研究所が提唱する「第三のリベラルアーツ」──統合的知性と“問い”の力のこと。学びは知識取得ではなく、「共感し、共に在る」体験へとシフトしているのです。
🧠 第三のリベラルアーツとは?
情報を処理する力から、「問いを持ち、意味を感じる力」へ。AIが“考える”時代に、人間に求められるのは「感じる」「共鳴する」力。これは新しい「学び」のかたちであり、世代や立場を超えた共感・共在のベースでもあります。
🔮 未来のコミュニティへの提案
最後に共有されたのは、「共創されるつながり」という未来像。それは知識や正解の共有ではなく、「意味の共鳴」「問いの探求」「関係性のデザイン」が中心となる空間。インテグラルキャリア研究所は、こうした“共鳴空間”の設計を通じて、分断ではなく共創を目指しています
🔧 これからの支援者に必要なのは、「つながりの設計力」
AIに頼れる時代だからこそ、人と人との関係性は「自然発生するもの」から「意図的に設計するもの」へと変わっています。“どうつながるか”を問うこと。それが今、支援者や教育者、私たち一人ひとりに求められている姿勢かもしれません。
「技術の進化は止まりません。けれど“どうつながるか”は選び直せます。支援者こそ、“問い”を育て、違いを歓迎する場づくりの設計者であるべきなのです。」
インテグラルキャリア研究所では、今後も「対話」と「共創」を軸としたコミュニティづくりを追求していく予定です。