キャリアコンサルティングは社会を支えるインフラ

キャリアコンサルティングは、社会を支えるインフラであり、キャリアコンサルタントは成長や発達をサポートする専門家である
私は、キャリアコンサルティングは社会を支えるインフラのようなものだと考えています。
しかし、実際には、面談やスーパービジョンが、どこか特別で、少し怖いものとして受け止められていることが多いように感じます。
批評や評価をされる苦行の場、効果が見えにくい高価なサービス。時には占いのようなものとさえ言われることもあり、なかなか残念な気持ちになります。
もし、そう感じているコンサルタントの方、少し考えてみてほしいのです。
本来、対人支援とは、そんなふうに特別扱いされるものではないはず。
日々行われている面談は、切り取られた特異な空間ではなく、クライエントにとっても、キャリアコンサルタントにとっても、日常生活の一部分として存在しているべきものだと思うのです。
キャリアコンサルタントは、1時間の面談のみを提供する人ではありません。面談の外側においても、常にサポーティブな存在として在り続ける人です。そのサポートとは、助言や指示を与えることではなく、その人の成長や発達に、静かに伴走していくことです。
休憩時間にふと立ち寄るような感覚で、「ちょっと聞いてもらえますか」と声をかけられる。
そんな関係のほうが、ずっと自然ではないでしょうか。
もし、もう少し気軽に話せる場所があったなら。
もし、思い立ったときに、すぐ声をかけられる存在があったなら。
支援というものの見え方は、ずいぶん変わってくるのではないかと思うのです。
ICIが目指しているのは、そういう世界です。
面談という特別なイベントを提供するのではなく、24時間、いつでも伴走してくれる存在がそばにいる。人の支援者だけでなく、AIの存在も含めて、思い立ったときに、いつでも話しかけられる。
そんな日常の中の支援を実現したいと考えています。
スーパービジョンも同じです。教育や指導という言葉がつくと、どうしても特別で厳しい場のように聞こえます。こちらも本来は、日々の面談をよりよくしていくための、自然な対話の延長にすぎません。
相談者も、キャリアコンサルタントも、スーパーヴァイザーも、それぞれが日常の営みの中で関わり合っている。そこに「特別な行為」という境界線を引く必要はないと思います。
キャリアコンサルティングには、多様な技能や知識が必要ですし、専門領域への理解も求められる高度な専門職だといえるでしょう。さらに、コンサルタント自身が、独自のキャリア観を確立していることが絶対的に必要だと思います。
ただし、人の数だけその世界観があり、その人の人生には、その人なりの意味があります。なので、キャリア観に「正解」はありません。だからこそ支援とは、正しい答えを与えることではなく、その人の世界観に沿って、ともに歩いていくことなのだと思います。

ICIでは、キャリアを「人生の航海」にたとえています。そう考えると、面談とは、航海の途中で立ち寄る寄港地のようなものです。キャリアコンサルタントは、一緒に、航路を確かめたり、補給をしたり、ときには嵐をやり過ごしたりする一流の航海士なのです。
だからこそ、人と人とをゆるやかにつなぐネットワークそのものを、社会の中に育てていく必要があります。キャリアコンサルティングは、日常の中で、いつでも使える、社会の基盤です。
支援が特別な場所に行かなければ受けられないものだと思っているなら、そのイメージを、少しだけ手放してみてほしいのです。
私は、そんな「いつでも伴走してくれる支援」を、人と人との関係、そしてAIとの共創によって、少しずつ社会の中に根づかせていきたいと考えています。
大げさな理想ではなく、日常の中に、そっと支援が存在している社会をつくる。そんな素朴で切実な願いを実現したいと思います。


