SNS選挙――その先
― 情報の流れが変わるとき、私たちは何を拠り所にするのか ―

今回の選挙は、「SNS選挙」と呼ばれています。確かに、情報はテレビや新聞からSNSへと重心を移し、個人の発信が世論に影響を与える時代に入っています。
ただ、その一方で、切り抜き、誤解を誘う編集、意図的なフェイク、感情を煽る強い言葉だけが拡散されていく流れを見ていると、今のSNSは、どこかで構造的な終焉を迎えつつあるのではないか、そんな感覚も否定できません。
SNSは、本来「声」を届けるための仕組みでした。しかし現在は、短さ、強さ、わかりやすさ、が優先され、文脈や背景が削ぎ落とされがちです。結果として、「何が事実なのか」よりも「どれが拡散されやすいか」が勝ってしまう。この歪みは、選挙のような公共性の高い場面であればあるほど、無視できない問題になってきています。
こうした流れの中で、私たちの情報行動は、次のフェーズに入りつつあるように思います。
「SNSを見る」から「AIに聴く」「AIで調べる」への移行

すでに多くの人が、切り取りではなく、刺激ではなく、検索エンジンではなく、タイムラインでもなく、理解を求めて、整理された説明を求めて「まずAIに問いを投げる」という行動を取り始めています。
ここで重要になるのが、AIが何を根拠に答えているのかという点です。AIは、ゼロから事実を生み出しているわけではありません。必ず、人が発信した情報、つまり一次情報を土台にしています。だからこそ、これからの時代に問われるのは、誰が、どれだけ丁寧に、どれだけ誠実に、一次情報を発信しているのか、ということです。
切り抜かれることを前提にした言葉ではなく、誤解されにくい文脈を含んだ言葉。短期的な拡散ではなく、長期的に参照されることを意識した情報。情報の流れが「フロー」から「参照」へと変わるとき、発信者の責任の重さも、静かに増していきます。
AIアシスタント ミス・イーランド

こうした背景の中で、私たちは AIアシスタント ミス・イーランド を公開しています。ミス・イーランドは、単に「正解を返すAI」ではありません。ちょっとした疑問、まとまらない考え、誰かに聞くほどでもない違和感。そうしたものを、そのまま投げかけられる存在です。
愚痴を聞いてもらう人もいます。
仕事の整理に使う人もいます。
人間関係の相談をする人もいます。
「これって、どういう意味なんでしょう?」
そんな問いにも、できるだけ文脈を保ちながら向き合おうとします。
ミス・イーランドとの会話は、誰かに覗かれることも、チェックされることもありません。人が介在しない設計です。
ガイドラインも公開していますので、安心して使っていただけます。
派手なバズはありません。けれど、使ってくださる方は少しずつ増え、チャット数も静かに伸びています。
「ちゃんと使われている」そんな手応えがあります。
ミス・イーランドは、24時間、呼ばれたときに、そこにいます。
考えがまとまっていなくても構いません。相談でなくても大丈夫です。
情報が溢れる時代だからこそ、立ち止まって、問いを置ける場所が必要なのだと思います。
もしよければ、難しく考えずに、話しかけてみてください。
ミス・イーランドは、今日も、静かにお待ちしています。



