パラダイム・ブック: 新しい世界観ー新時代のコンセプトを求めて

C+Fコミュニケーションズ
書籍 | 1986 | 日本実業出版社
ICI AlexandriaVirtual Knowledge Library

ICI解説

近代科学を支えた機械論・還元主義的世界観から、量子力学、生命科学、システム論、自己組織化論、トランスパーソナル心理学などを背景とする全体論的・有機体論的世界観への転換を整理した書籍。物質・生命・意識の三領域を横断し、ニューサイエンスとパラダイム・シフトの全体像を提示する。

ICI内での位置づけ

主領域世界観
関連領域理論
資料区分重要資料

キーワード

パラダイム・シフト;機械論と還元主義;全体論的世界観;システム論;自己組織化;意識の進化;ニューサイエンス;インテグラル・キャリア

ICIノート

ICIが掲げる「人と風土の変革」「本質的成長」「意識の進化」という理念を、より広い思想史的・科学思想的背景から捉える際に参照できる。特に、物質・生命・意識を分離せず動的な関連として理解する視点は、成人発達理論やインテグラル理論、支援を共創プロセスとみなすICIの考え方と接続し得る。また、アセッサー・システムや4ライン10レベル統合モデルを、単なる評価技法ではなく、人間の成長と関係性を扱う包括的な実践知として位置づける際の背景資料となる。ただし、1980年代のニューサイエンスやニューエイジ思想を含むため、個別の科学的主張を現在の理論的根拠として直接採用するには批判的検討が必要である。

概要

『パラダイム・ブック―新しい世界観・新時代のコンセプトを求めて』は、近代科学を支えてきた機械論的・還元主義的世界観と、20世紀の物理学、生命科学、心理学などから現れてきた新しい世界観を対比しながら、「ニューサイエンス」と呼ばれた思想潮流とパラダイム転換の全体像を整理した書籍である。C+Fコミュニケーションズ編著、日本実業出版社より1986年刊行。

本書は全体を「物質」「生命」「意識」の三領域から構成する。「物質」では、デカルト的科学哲学と還元主義、世界を機械として理解する近代科学の成立から、量子力学、不確定性原理などによって従来の物質観が問い直されていく過程を扱う。「生命」では、機械論的生命観から、散逸構造論、有機システム論、エリッヒ・ヤンツの自己組織化論などへと展開する生命観の変化を論じる。「意識」では、精神分析、人間性心理学、トランスパーソナル心理学などをたどりながら、還元主義的な心の理解を超えた意識研究と、人間の意識の深化・進化の可能性を取り上げている。

これらを通して本書が描くのは、世界を相互に分離された要素からなる機械として理解する世界観から、物質・生命・意識を相互に関連する動的なシステムとして捉える、全体論的・有機体論的な世界観への移行である。個々の理論を専門的に解説することよりも、それぞれの領域で生じた変化を「パラダイム・シフト」という共通の視点から横断的に配置し、新しい世界観の輪郭を提示することに本書の特徴がある。

本書は科学史・科学哲学の学術的概説書というより、1970~80年代に広がったニューサイエンスやニューエイジ思想を背景として、当時注目された科学・心理学・思想上の諸理論を統合的に紹介した思想的ガイドブックとして位置づけられる。そのため、個々の科学的主張については刊行後の研究によって評価が変化しているものも含まれるが、20世紀後半に広がった機械論・還元主義への批判と、システム論、自己組織化、全体論、トランスパーソナル心理学などを結びつけた「新しい世界観」が日本でどのように紹介・整理されたかを知る資料としても意味を持つ。

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